2015/03/28

認知症介護通信15/03/28

システムとして捉える ・・・ たぶん私の原点

NHK社会部の記者であった柳田邦男氏が航空機事故の真相を深く追った「マッハの恐怖」(フジ出版)を著したのは1971年のことです。
事故に潜む共通する原因は、「ヒューマン・エラー」として単に個人の人為的ミスに帰するのではなく、システム全体に潜む共通の因子を追求することで原因が解明され、対策を講じることができる。
続いて出版された「続 マッハの恐怖」。2冊共読んだのですが、そこに展開された主張はずっと私の脳裏に刻み込まれているのです。

だから思うのですが、今日直面している、後を絶たない極めて深刻な「認知症医療過誤」の原因は、単に医者の勉強不足という個人的力量不足にのみ原因を訴求するだけではなく、認知症医療というひとつのシステムに潜んで共通する原因を明らかにして改善することに、真の対策があり再発防止の鍵があると考えるのです。

・・・なんて、どこかの全国紙の社説みたいなことを書きましたが、ここから先は全国紙の社説では諸般の事情により書けないでしょうから、代わりに書いておきます。


   認知症医療村を解体することで、真に役立つ認知症医療が確立される   
 高騰する医療費の抑制と、衰退し続ける日本経済の立て直しに寄与する 

分かり易くするために、大きい字で書いて赤色のマーカーを付けておきました。「認知症医療村」とは、製薬会社・大学病院・学会・マスコミなどが癒着して構成する、認知症患者と家族の生活を顧みない複合体のことです。これに政府が荷担しているのか、それとも「お役所仕事」の習性が災いして単に踊らされているだけなのか? これは分かりません。



鑑別に迷ったけれど、前頭側頭型認知症と分かった症例
夜勤入りの夕方のことです。ショートステイ利用予定になかった見知らぬ認知症の人が居ました。事情を訊くと、家庭介護者の都合で急にショートステイ利用が必要になったのですが、どの施設からも受入を断られてウチの施設に急遽決まったとのこと。

【第一印象】
 ・ADLのしっかりした、ごく普通の老女(要介護2)
 ・礼節がそこそこ保たれている
 ・ショートステイ利用者との会話を聞いていると、少し一方的に自分の希望をしゃべる
 ・「家に帰りたい」と言って、ソファーになかなか座らない (これは誰にでもあること)

私はこの利用者の居るフロアとは別の担当なので、夕食後に様子を訊きました。
【夕食から就寝までの状況】
 ・夕食はあっという間に済ませた(良く噛まずに掻き込みか?)
 ・一品ずつ食べたのか、ご飯やおかずを交互に食べたのかは不明

【就寝後】
 ・入眠することなく、廊下を行ったり来たりする
 ・他人の部屋に入ろうとする
 ・トイレで紙パンツの交換をすると、激しく抵抗して拒否する
 ・深夜だというのに、時間もわきまえず大きな声を出す
 ・一睡もせず、朝を迎える

実は、「他の施設で受入を断られた」と聞いたことと、初対面の段階で「ピック病かも!」という勘を働かせていていました。ただ、鑑別の確信を掴めなかったのは、顕著なピック感がなかったからです。翌日、夜勤明けの際に、「迎えに行った車からなかなか降りなかった(指示に従わない)」、「施設の玄関に入れるのに抵抗して苦労した」と聞いて、ピック病を確信しました。
【注記】上記の文中でピック病を鑑別するポイントの所を、   で示しています。

多分こういう症例は、本来の専門の診療科目の片手間に認知症を診ているか、勉強不足の医師であれば迷うことなくATDと診断してしまうでしょう。そもそも、勉強不足であれば迷うこと自体ないでしょう。何故なら、FTDを知らないのですから。
そして、「認知症=ATD=アリセプト」という誤診と誤処方で家族介護を困難な状況に陥れてしまうのです。

ショートステイ利用時に交付された「情報提供シート」なる怪しげな書類(あまり当てにならない)を一瞥すると、案の定「アルツハイマー型認知症」と記されていました。この情報提供シートに記された認知症に関する限りは何の役にも立ちません。殆どの場合、私が鑑別して診断を訂正することが多いのですが、FTDについては全症例とも診断の誤りを訂正しているのが実情です。

何故、このような鑑別をCT画像を見ることもなくできるのか。 
それは、「ピック病の症状と治療」(フジメディカル出版)を繰り返し繰り返し読んで、認知症のタイプを問わず、認知症患者から謙虚な姿勢で学び続けてきたからです。時には、この本に記された1~2行の記述と、介護現場で見る認知症患者の些細な症状さえも見逃すことなく照らし合わせる作業を続けてきたからです。

そして、驚いたことに、アルツハイマー型認知症(ATD)のことが理解できるようになったのです。考えてみればそれは当然のことで、ATDは特徴が無くてつかみ所がない面もあり、「除外診断」によって決めるとされています。


だからなのでしょう、私がFTDと鑑別した認知症患者全員がATDと診断されているのです。また、前頭側頭葉変性症(FTLD)の下位分類である大脳皮質基底核変性症(CBD)や進行性核上性麻痺(PSP)もまた全員が適切に診断されていません。

先日、このブログの更新を楽しみにして下さっている方からメールを頂戴しました。彼女もこの「ピック病の症状と治療」を購入して読んでおられ、お気に入りなので河野先生にサインをして頂いたそうです。私もこの本がお気に入りで、サインを頂きました。

以前、私はこの本について、アマゾンの書評に次のようなことを書いたのですが、このブログに転記しておきます。初めは、医師ではないコメディカルの方々にお勧めするのはどうかと思ったのですが、彼女のように医師ではない方も購入されていることを知り、とても心強く思いました。

こんなに立て続けにFTLDの人が目の前に現れるのですから、コメディカルの方々もこの本を読んでFTLDをしっかりと勉強して欲しいと思います。
アルツハイマっぽくない、レビーっぽくもない、血管性でもないとすれば、FTLDを疑ってみるという視点を持つのはどうでしょう(勿論、混合型もあります)。 認知症は、「遂行機能と社会適応能力の障害(「血管性認知症」ワールドプランニング刊)とする目黒謙一先生(東北大学)の指摘に最も合致するのがFTLDではなかろうかと思っています。実際、医療現場ではなく介護現場に居て、FTLDの人が未治療であったり、アルツハイマ型認知症と診断され不適切な処方がされている事例に遭遇する度に、「遂行機能と社会適応能力の障害」という言葉を思い知らされるのです。 はっきり言って、こういう不運なケースに遭遇してしまった人ほど迷惑なことはないのです(同時に、認知症医療への失望と怒りも覚えます)。 とにかく介護で手がかかり、ストレスとなるのです。 それは、アルツハイマ型認知症の徘徊やレビー小体型認知症の幻覚妄想の比ではありません。
「ピック病」は1996年にマンチェスターグループにより、FTLD(前頭側頭葉変性症)分類に組み入れられたのですが、河野先生の言う「ピックっぽい感じ」を掴み適切な処方がされると、どれだけありがたいことかと実感するのです。 認知症治療は歴史が浅いという時代背景から仕方ないと言わざるを得ない一面もありますが、CBD(大脳皮質基底核変性症)PSP(進行性核上性麻痺)を統合失調症と診断された人を実際に看る(「診る」ではない)度に心が痛むのです。 これらについても、この本に記載があります(p.129p.135)
 それでは、前頭側頭葉変性症の症状の代名詞でもあるピック病、「ピックっぽいね」という感覚をどうやって掴むのか。 目の前にいる患者さん(私の場合、施設の利用者)が教えてくれます。 実際、私の場合CT画像を観るでもなく、家族から問診するでもなく、目の前に居る人が教えてくれたのです。 そして、その裏付けとなったのが本書なのです。 冒頭に述べたことに相当することは、「ATDFTLDの相違」(p.93) 「FTLD診断の道筋」(p.143)に記載があります。
 今ならまだ医師が「知りませんでした」で通用するのかもしれませんが、明日の診療からでもこの「ピック病の症状と治療」を実践して頂けるなら、それは大きな社会貢献と言っても決して過言ではないと思うのです。

2015/03/21

認知症介護通信15/03/21

側頭葉から前頭葉への認知症治療標的のシフト

日々、認知症患者(施設利用者)のお世話をしながら様子を観察していて思うことは、記憶障害と徘徊のアルツハイマー型認知症(ATD)よりも前頭側頭型認知症(FTD)への関心をもっと深めるべきであるということです。何故なら、ATDの人は大抵の場合穏やかに過ごしていることが多いのですから、転倒や怪我などの事故防止のために気を付けて見守ってあげれば良いのです。

一方、FTDの人となると事情が変わってきます。実際の介護現場ではこうなります。
 ・同じことを何度も繰り返し尋ねるが、逐一対応できない
 ・「おしっこ、おしっこ」と頻繁にトイレに行くことを要求する
 ・大きな声で唸り続ける
 ・隣席の人のお膳やおやつに手を出し、勝手に食べる

大体こういう人達は見守りの目が届きやすいように同じテーブルを中心に寄せ合わせられます。夜であれば、夕食が済んで就寝介助するのですが、それがすぐにできない入所者もいます。
 ・ベッドに寝かせてもすぐに起きてくる
 ・寝かせると、大きな声で騒ぎ周囲の迷惑になる
 ・仮に眠っても、暫くすると目が覚めて動き出す

経験的に言って、こういう入所者の大半は前頭側頭型認知症(ピック病)なのです。個人情報が綴じられたファイルを調べてみると、そこに「アルツハイマー型認知症」と病歴欄に書かれていても大抵は誤診なのです。ただ一部にアルツハイマー型認知症が進行したためにあたかもピック化したような症例はあります。

このように見ると、前頭側頭型認知症を知らない施設職員/スタッフでも、実はこの認知症をちゃんと鑑別してはいるのです。ただ認知症に関する知識が足りないだけなのです。むしろ、前頭側頭型認知症をアルツハイマー型認知症と誤診するような医者よりも鑑別能力はあるのかもしれません。
最近、河野先生の「ドクターコウノの認知症ブログ」に以下のような記述がありました。





前頭側頭型認知症(FTD)は前頭側頭葉変性症(FTLD)が原因となって生じる認知症なのですが、症状が多彩であり、ATDと誤診されている患者が多いです。実際、私がお世話している施設利用者(入所者・ショートステイ利用者)のFTD患者全員が誤診されています。

前頭側頭葉変性症を理解するには1~2年の時間がかかりました。CT画像を見ることもなく、症状をずっと観続けてきただけなのですが、前頭側頭葉変性症の理解はATDの理解を深めると言っても過言ではないと実感しています。


進行性核上性麻痺(PSP)を鑑別したのだけれど・・・
「コウノメソッドでみる認知症Q&A」(日本医事新報社)を2回精読したあと、「ピック病の症状と治療」(フジメディカル出版)を読み返す今日この頃。この本を一体全体、何度読み返すことだか。因みにこの本には、河野先生のサインをいただいた私の「座右の書」なのです。

ごく最近、進行性核上性麻痺(PSP)の人を見つけました。施設に入所してきた時から、どことなく感じる奇妙な印象を拭えないままお世話をしてきたのですが、眼球が左右には幾らか動くものの、上下にはまったくと言っていいほど動きません。
顕著な「アルツ感」も、「レビー感」も、「ピック感」もほとんどなく、それでも「どことなく腑に落ちない認知症」を感じていました。

「目だ!」と思った私は、その利用者に私の指を見て追うように言いました。顔の前で指を左右に動かし、眼球がかろうじて追従して動くのを確認しました。しかし、上下方向にはまったく動きません。「あっ!PSPだ!」と確信しました。私はこれで同じ施設内(入所定員70人)で、2症例のPSPを鑑別して見つけ出したことになります。因みに、2人共にPSPとの診断はありません。

この人の場合もやはり、いくつかの医療機関や老人施設を経て現在私のところで暮らしているのです。私が気付くよりずっと以前に、どこかの医療機関で適切に診断されていないものかと憤りをおぼえます。さらに始末に悪いのは、「あの人はPSPですよ」と知らせてもちゃんと取り合ってもらえないことです。 

私は既に大脳皮質基底核変性症(CBD)を同じ施設で2例鑑別していますし、PSPも2例目となりました。どんなに親身になってお世話していても、この2疾患の辿る先にあるのは誤嚥から経鼻経管栄養となって、最期まで施設でお世話することができず退所となります。

こうなるともう、「コウノメソッドでみる認知症介護 -ムダな介護よ、さようなら-」と題する本でも書いたろか! と、怒り心頭なのです。

【参考資料】 進行性核上性麻痺 診療とケアマニュアル



最近流行の昔の歌
Mさんとは7年来の知り合いです。私がデイサービスを離れる5年前には両手引きで歩行介助して歩いていたのですが、現在は車椅子生活です。それが数ヶ月前、私の勤務する施設に入所しました。私のことをちゃんと覚えていてくださったことは嬉しかったのですが、リウマチのため歩けなくなっていたのはショックでした。

まだ年齢相応の認知機能の低下(MCIとは鑑別できない程)なので、入所時に家族が持ち込んだCDプレーヤーで昭和時代の懐かしい歌を聴いて過ごしています。時々、私が同室の入所者も巻き込んで一緒になって歌ったりもしています。介護の本質は、笑わせてナンボの「エンターテイメント」にあるのです。

「ブルー・ライト・ヨコハマ」 私が小学生の頃に流行った歌です。「懐かしいねぇ~♪」と言って、一緒に歌い、歌詞に合わせて移乗介助中のばあちゃんをギュッと抱きしめたりしています。セクハラではありません。私の介助をことのほか喜ぶ入所者への「ファンサービス」なのです。(笑)

来年3月、パシフィコ横浜で「第2回認知症治療研究会」が開催されます。「ブルー・ライト・ヨコハマ」を歌いながら、アタマの中はこれに照準を合わせて、あれこれと考えているのは言うまでもありません。

2015/03/14

認知症介護通信15/03/14

オレンジプランにみる「認知症は治せない」という暗黙の認識

医療は医療で、介護は介護。どちらにも共通する認識というのは、「認知症は治らない」ということ。この共通する認識を、「認知症は治せる」という認識に変えることが最優先課題でしょう。
はじめにありきは、「医者は認知症を治せる」なのです。

ハコモノ作りと数合わせが仕事のお役人は作文も得意なのです。新オレンジプランで2017年度末を当面の目標設定年度として下記のようなことを並べています。いつまで即効性・有用性のないことばかりを並べ立てるのだろうか。
認知症施策推進総合戦略」を打ち出した(2015/01/27)。認知症に対する施策を推進するための総合的な戦略なのですから、これは「大枠」が示されただけのことであり、具体的なアクションは別途存在するのでしょう。

1)認知症への理解を深めるための普及・啓発の推進、
2認知症の容態に応じた適時・適切な医療・介護などの提供
3)若年性認知症施策の強化、
4)認知症の人の介護者への支援、
5)認知症の人を含む高齢者にやさしい地域づくりの推進、
6認知症の予防法、診断法、治療法、リハビリテーションモデル、介護モデルなどの
   研究開発  およびその成果の普及の推進
7)認知症の人やその家族の視点の重視。
 と、策定されています。



「戦略」というのは大枠のこと・方向性を示すことで、「戦術」とは戦略に沿って目標・目的を達成するための具体策のことです。オレンジプランは戦略なのですから、戦術である具体策は別途策定されるのですが、そこに「認知症は治せる」という共通の認識がない故に、いつまで経っても有効かつ即効性のある具体策が示されないでいるのでしょう。

だから、「七つの柱」 ②で、「認知症の容態に応じた適時・適切な医療・介護等の提供」と掲げている一方で、⑥に「認知症の予防法、診断法、治療法、リハビリテーション、介護モデル等の研究開発及びその成果の普及の推進」などと絵空事を並べているのです。
もっとも、介護保険制度と同様に「走りながら考える」という方法に頼らざるを得ない現状は勘案する必要はありますから、不完全だからといって批判ばかりしては建設的な戦術は何も得られません。

医者は認知症を治せる」のですし、「医者を選べば認知症は良くなる」のですから、認知症を治せる医者を増やすことに注力するという発想が何故できないのか? これが不思議なのです。「認知症サポート医」という制度があって、それなりにいくらかは注力してはいるようですが、どれだけの効果が得られているかは疑問です。


認知症の原因疾患に関する基礎研究、根治薬の開発は重要なことなのですが、問題は「今でしょ!」。対症療法のコウノメソッドでは、認知症を根治することはできないでしょう。それでも、「いぃ~んです!」 認知症の陽性症状を抑えて穏やかに生活する、陰性症状を抑えて元気になってくれる。これができれば、介護負担は大きく減らせるのです。


オレンジプランにコウノメソッドを組み入れ、認知症サポータを増やす

という戦略を掲げ、
コウノメソッド実践医を増やす

という戦術を展開する。極めてシンプルで分かり易いお話しなのです。



マスメディアは、第1回認知症治療研究会をどう伝えたのか

地方紙に掲載された研究会開催の記事
普段は、「この人、ピックだよね。ウィンタミン欲しいね」、「この人、大脳皮質基底核変性症(CBD)だよね。グルタチオンとフェルガード、それからリバスタッチが欲しいね」などとぼやきながら介護現場に居る、自称「認知症オタク系介護福祉士」の私なのですが、「現場」というミクロの視点からだけでなく、「社会」というマクロの視点で見ると、認知症に関するフォーカスが些か合っていない情報という問題も見え隠れするように思えるのです。

認知症医療は情報戦」、有益で即効性のある情報を掴んだ認知症患者とその家族だけがその恩恵を受けることができる、という現状はある意味社会問題ではないでしょうか。

去る3月1日、東京で開催された「第1回認知症治療研究会」には、マスコミ関係者も来場していた。それはそれで実にありがたいことなのですが、「やっぱりね!」という失望もあるのです。翌日の新聞に掲載された記事のほとんどは地方紙だけのようです。
そこから見えて来ること;
 ・全国紙では少量の抗認知症薬を適正に使いましょう、というコウノメソッドを記事にできない
 ・抗認知症薬を減らせば、認知症の周辺症状は改善します、と記事にできない

何故なら、
 ・メディアは広告主である製薬会社との営利関係に配慮する
 ・テレビ局も同様で、スポンサーである製薬会社との営利関係に配慮する

だから、
 製薬会社との営利関係のない地方紙だけが報じている

こういうことは研究会関係者も私も重々承知していたから、「やっぱりね!」なのです。「自主規制」が働いたのでしょうと指摘せざるを得ないですね。もっと世間の注目を集めたいとか、会を大きくしたいとかいう低レベルのことを画策しているのではないことは言うまでもありません。
「おかしいねと思える事件や出来事は、カネの流れで追いかけてみる」と、映画「スライブ」で言っていたけれど、確かにその通りだと実感しました。

かつて、「大本営発表によると・・・」と報じた太平洋戦争当時のメディアは、カタチを変え沈黙するか、利害関係のない次元でのことだけを題材にして「認知症戦争」を伝え続けるのであろうか。
現在進行中の「認知症戦争」の被災者・犠牲者は数百万人で、今後更に増え続けるのは確実なのですから、世の中のためになる事実を正確に伝えなければなりません。戦況不利な最前線に居る一介護士(兵士)の声は、以下の通りです。

 ・数的問題は増え続けることに間違いはないが、質的には既に末期状態
 ・末期状態で大変のなは記憶障害よりも、前頭葉・側頭葉の機能障害
 ・アルツハイマー型認知症の人は大きなストレッサーとはならない
 ・前頭側頭型認知症、あるいはピック化した認知症患者は大きなストレッサーとなる
 ・新規抗認知症薬への期待より、対症療法での治療が現実的

現在高齢者である方々は、大本営発表に一喜一憂しながら翻弄され続けて生き抜いてきた人達なのです。それが人生最後に再び「認知症戦争」という戦争に「否応なく巻き込まれている」としたら、「歴史は繰り返される」とするには哀れなことです。


ただ今回は、時の政府によるマスコミへの言論統制も検閲もなく、あるのは営利企業による癒着の構造と自主規制なのですから、そのことを重々認識した上で「認知症を治せる医者にかかる」ことで戦火(認知症医療過誤)を免れることができるのは言うまでもありません。

2015/03/07

第1回 認知症治療研究会 開催記念号

認知症治療研究会開催される

待ちに待った(1年も待っていた)認知症治療研究会が、東京品川で開催されました。たぶん、私が会場一番乗りだっただろうと思います。何故なら、次のようなことをお話しさせていただくために会場に行ったのですから。

ここからは、当日のために用意しておいた口述原稿です。この通りにしゃべるつもりはなかったのですが、備忘録程度に書いておいたものです。


デイサービスというのは楽しいところです。ごく普通に暮らせる人、軽度認知障害(MCI)の人、歩行時に見守りが必要な人が大半を占めています。
この施設(全国規模で10数番にランクされる)では、病院に導入されているトレーニングマシンを用いた運動を中心に、レクレーション、食事、入浴などのサービスを提供しています。機能訓練は、常勤の理学療法士か作業療法士が中心に行います。
生活の中心、基盤は家庭なのですから、「認知症がある」と言えども症状はほとんどの人が軽度です。


 有料老人ホームは生活のすべてをお世話する、時には大変なこともありますが、楽しいところです。デイサービスの送迎業務がない代わりに、就寝介助をする、夜勤業務がある、といったところです。この施設でも、病院に導入されているトレーニングマシンを用いた運動を入居者の大半は正常加齢範囲かMCIです。





特別養護老人ホームは「終の棲家」と言われるだけあって、認知症だけに限ってみても多彩な症状も、治療の現実も、医療の問題点も広く知ることができます。全国に特養は3,458施設あり、236,000人が暮らしています。私が見ているのはそのうちの1施設なのですが、どこの施設も恐らくは似たり寄ったりのことでしょう。

私は、どちらかと言うと、抗認知症薬も向精神薬も使うことを嫌う施設嘱託医の居る施設に居ります。だからなのでしょうか、皮肉なことに薬の影響を比較的受けていない認知症患者の症状をいくつも知ることとなりました。
アルツハイマー型認知症、ピック病、レビー小体型認知症、レビー・ピックコンプレックス(LPC)、大脳皮質基底核変性症(CBD)、進行性核上性麻痺(PSP)のこともよく分かるようになりましたし、鑑別もできるようになりました。

「コウノメソッドでは、画像診断装置なくても、85%の精度で認知症を鑑別できる」と河野先生は仰います。その目でショートステイ利用者を見ると、様々な誤診も不適切な治療の実態が見えてくるようになりました。



 この利用者は、歩行はパーキンソニズムを伴う不安定な状態なので両手引き歩行でした。やがて、車椅子で過ごすことになりましたが、座る時にはソファーに移乗します。絶対に車椅子だけというのは禁止されていましたから。

大きな声で「おーい!」と叫ぶことがあったり、幻視を見ていました。周辺症状薬として、リスパダールが処方されていました。
送迎で家庭に行った際に、老老介護の家族に抑肝散を提案したのですが理解されませんでした。これは、善意によるものですが、規則違反でしょう。後年、施設入所となったと聞いています。

この施設に勤務していた時、何の資格もないただの介護者が薬のことに口出しするなと、看護師に言われたのが印象に残っています。


 
  この利用者は明るくてユーモアもある淑女でした。MCIなのだろうと思える程度のボケはありましたが、自立して生活できるレベルでした。キャラクター分類では、アルツハイマー型認知症です。
ところが、ある日認知症外来を受診して、アルツハイマー型認知症と診断されました。
そして、アリセプトが処方されましたが、悲劇はその時から始まりました。
 ・弄便、所構わず部屋や廊下などで排尿
 ・食行動異常
 ・便器に枕や布団を突っ込む
 ・裸で部屋から出てくる
たった1種類の薬のため、多大な介護負担が生じた事例です。


 この利用者は鑑別に苦慮しました。同じことを1日に何度も繰り返し尋ねるのです。初めのうちは、アルツハイマー型認知症なのだろうと思っていました。


「同じことをくり返し訊く、話す」には2通りあります。
ひとつは、一連の会話の中で「同じことを何度も繰り返し聞く」ということ。もうひとつは、わざわざ呼び止めて同じことを1日に何度も聞くということです。
この人は1日に何度も呼び止めて訊くタイプでした。

ある夜勤の夜、幻視を見て大声をあげているところに出くわしました。大声で叫ぶため、4人部屋の他の入居者から苦情の声がでていたので、抑肝散を出してもらったところ、翌日から静かになりました。

食事の際、介助を拒み抵抗する症状もありました。ある日、病院を受診した際、付き添いの職員に抵抗して噛みついたということを聞き、LPCだと気付きました。


 ショートステイ利用者を見るというのは、ある意味その地域の認知症医療のレベルをモニタリングしているような気がします。
私が忘れることのできない事例です。この人はピックだよね!」という直感がすぐに働きました。びっくりまなこ、なんとなく奇妙な印象があったからです。

口腔ケアに激しく抵抗する、異食する、我が道を行く周囲への無関心などがありました。特に異食には注意が必要でしたが、3回の事故報告書を書く結果となりました。
結局、この利用者は数週間、1ヶ月くらいの利用を何度かくり返した後、再び姿を見ることはありませんでした。

河野先生の「ピック病の症状と治療」の序論に、「この患者は、主治医はアルツハイマーと言っているがピック病ではないかしらと気付ける職員がいたらどうでしょうか、処方変更で退院できる可能性があるのです」 まさにこの通りのことを自ら経験してしまった事例です。そして、ピック病を知らないであろう医師がアルツハイマー型認知症と誤診してアリセプトを処方した事例です。


この利用者がショートステイにやって来ると、すぐに分かります。「ホー、ホー」とほとんど1日中唸り声をあげているからです。

はじめは、「何だろう?」と思っていたのですが、トイレに誘っても従わない、食後の口腔ケアを拒否して抵抗する、何を話しかけても通じない、しゃべらない、会話がまったく成立しないので意味性認知症(SD)だと気付きました。びっくりまなこもあります。
入所時に交付された情報提供シートから、ATDと診断されており、アリセプトが処方されていることもわかりました。

以上お話ししたように、特別養護老人ホームというのは、その名のとおり「特別」なのかもしれませんが、概ね90%の利用者が認知症なのですから、実に多くのことを知って学ぶことができました。ショートステイ利用者の概ね10%はピック病です。決して1%程度という希なタイプの認知症ではないというのが私の実感です。


 以上はこれまでに遭遇した認知症医療のいくつかの事例です。介護現場の視点で、もう少し具体的に見てみます。
■食事
食事は1日3回、決まった時間に摂取します。生活の基本ですから、欠かすことはできません。嚥下機能が低下した状態では誤嚥に一番気を遣います。CBDPSPは勿論のこと、DLBでも誤嚥は生じます。どんなに注意していても、結局のところ誤嚥から経鼻経管栄養に到り、入院となります。

■排泄
尿や便の失禁は止む得ないことです。定時の誘導、尿意・便意を訴えたり、察知してトイレに誘うことは当然のことです。
ところが、24時間中いつでもあり得る弄便は迷惑です。血管性認知症、前頭葉機能が低下した人に多く生じるような印象があります。

■入浴
大声を出して騒ぐ、拒否する、暴れるという行為は、ことのほか神経を使います。浴室であれば、タイル貼りの床ですから転倒事故につながります。裸でいるのですから、表皮剥離、打撲なども注意が必要です。

入浴はパートのおばちゃんが担当することもあります。入浴介助だけを専門に担当していますが、親身になってお世話する人柄の良い人が多いのです。「お風呂に入ってさっぱりしましょう」と言っても通じない世界で大変な仕事をする、気立ての優しい人が多いです。

■睡眠
レビー小体型認知症は昼夜逆転することもありますが、夜間に眠る時は眠ります。LPCの人は夜中に突然大声を出します。用事もないのに起きてくることもあります。
他の利用者に迷惑をかけるだけでなく、夜勤者にも大きな負担をかけます。
介護では、肉体的負担は仕方ない避けては通れないことです。
心理的ストレスは、周辺症状を減らすことで緩和することが可能なのですが、それができていないのが実情です。 


認知症という言葉は知っているけれど、現にいつもお世話しているけれど、詳しくは知らない、という介護職員が殆どです。ちゃんと理解している人は、1%くらいかもしれません。
この人は「認知症」ということは分かるのですが、タイプ別の特徴までは知らないのですから、性格、体調、環境変化などの因子で周辺症状を理解しようとするのです。

この会場に施設介護職の人が居たら思い起こして欲しいのですが、重点的に見守りの必要な人達はどういているでしょうか? 同じテーブルに寄せられて座っているだろうと思います。転倒リスク回避のため、異食防止のため、一番目が届く所に居るはずです。
私の職場の同僚達はピック病やLPCを知りません。ですが、同じテーブルに寄せ集められて座っている人達はピック病やLPCなのです。

この人達が穏やかに過ごしてくれて、転倒や異食のリスクが減って、見守りの負担が軽減されたらどんなに良いだろうと思いませんか?
介護職員が認知症のことをもっと知って、近くに認知症を治せる医師が居るならば、介護現場の負担は軽くなるのです。 


 では、いつまで経っても、そういう負担が減る日が来ないのか?
「認知症の治療方法を知らない」からであり、「認知症を学ばない」し、「非薬物療法で何とかするのが介護だと頑なに思い込んでいる」からなのです。「ルーチンワークをこなすだけで精一杯」なのです。

嚥下機能の低下で食が進まない人に誤嚥を気を付けながら介助する。「おしっこ、おしっこ」と数10分おきにくり返し訴える人に、「さっき行ったでしょ」と説得する。まったく無駄なことです。

フェルガードを買ってもらうことを提案する。ピック病の常同行動ではないかと気付き、ピックセットを出してもらう。こういう提案を積極的にしていかない限り介護現場の負担はいつまでたっても減りません。


ピック病はまったく正しく診断されていない。だから、ショートステイ利用者にピック病を見つけることができますが、ちゃんと診断されている事例に遭遇したことがありません。
どんなに医療が進歩しても、最終的には人の手によるお世話は必要なことなのですが、避けることのできる認知症の陽性症状は可能な限りの治療で軽減しておきたいものです。




ここまでお話ししてきたことは、コウノメソッドで認知症を学んだ知識からでありますが、「なるほど!」としっかり理解できるようになったのは、認知症の患者自身から謙虚に学ぶ姿勢があったからです。

それでも、1日、2日と観ていても分からないことは分かりません。初めはアルツハイマー型認知症だろうと思っていた人が、実はレビー小体型認知症であり、のちにLPCだったこともあります。
生活を共にしていてさえ、こういう状況なのですから、診察室での10分、15分の診察で掴める情報量はには限界がります。


 認知症を学び始めて、このイメージを思いつくまでに約6年くらいかかりました。
岩田先生の「認知症になったら真っ先に読む本」で情報フィードバックという言葉に出逢ったときに、思いつきました。ピンときました。

これは、自動制御工学では必ず登場する、誰もが知っている古典的な図です。
コウノメソッドで認知症を学べば医師でなくても85%は正確に鑑別できる」と仰います。私はこれまでに450人くらいの高齢者のお世話をさせていただきました。おそらく、そのうちの300人くらいは認知症でしょう。

私は医者ではありませんから、CT画像を観ることはありません。症状を観てATDDLB、ピック、LPC、CBDPSPと鑑別しています。不適切な処方薬を知って認知症を鑑別しています。これらは皆、コウノメソッドで認知症を学び、患者を見て患者から教えてもらったことがほとんどなのです。勿論、既存の認知症関連の学会に行ったこともありません。

プライマリーケア医の先生方は医学教育を受けた方々なのですから、例えCTがなくても患者から謙虚に教えてもらって、もっと高い精度で診断できるはずです。 


認知症を治せない医師が認知症の教育をすることなどできません。認知症の有効な治療方法を知らない者が認知症の学習会や研修会で講師役を務めても、実用的で有益な内容の話しにはならないでしょう。

自分が理解していないこと以上のことを他人に説明できないのです。このことは、おそらく、認知症サポート医の研修でも、介護現場の学習会でも同じことでしょう。
だからでしょう、認知症には、結局のところ非薬物療法で対応しましょうという話しになるのです。

「接遇をきちんとしましょう」、「声かけが大切です」というような話しで終わってしまうのです。最近は、ユマニチュードという介護方法が話題になっているようですが、忙しい介護現場にそのような時間もゆとりもありません。

老健には常勤の医師、特養には非常勤の医師がいます。外来とは異なり、患者の様子を細かく診ることができるだろうと思います。外来、即ち在宅の患者を診るのと大きく異なるのは、施設ではスタティック(静的)な生活環境の中で認知症を見ることができるのです。
食事も、排泄も、睡眠も、服薬も、生活のリズムも管理されているのですから、一定の条件の下で認知症の症状を観察することができるのです。

医師はひとりひとりの患者に寄り添い、症状を観察する余裕はないでしょう。けれど、介護職員にはそれができます。
病院や老健の看護・介護職員
主治医は変わらないでしょうから、日々の看護・介護業務を通じて、患者の様子をしっかりと観察すればいいのです。

特養の介護職員
施設入所時に、前医の不適切な診断や処方を見抜き、指摘できるようになれば良いのです。ショートステイの利用者を見てピック病を見抜き、不適切な診断と処方に気付けるようになります。


「認知症は治せる」ということを学ぶには、どこから、何から手を着けたらいいのか?
それは、アルツハイマー型認知症のもの忘れではありません。LPCやピック病です。

ウィンタミン、即ちクロルプロマジンの有効性については海外の認知症関連サイトを随分と調べたことがありますが、「ピック病にクロルプロマジン」という記述を見つけることはできませんでした。

河野先生の最近のブログでは、「LPCの発見から筆者は、前頭葉機能の重要性を再認識しています。アルツハイマー型認知症の側頭葉時代から、これからは前頭葉の時代だと考えているほどです。記憶障害(中核症状、側頭葉機能不全)が重視されてきた認知症の医学は、介護抵抗(周辺症状・歩行障害、前頭葉機能不全)を標的とした医療にシフトしてゆくべきと考えるに至っています」と述べておられますが、それは介護現場でも実感することです。


一番左端にいる人達は基礎研究に従事する人達、認知症の介護現場を知らない人達。
一番右端にいる人達は介護だけに専念する人達、認知症に興味のない人達でしょう。
内側に位置するほど、医療にも介護にも通ずる人達です。

現在は、二極化する構造にあると感じています。介護側から見ると、認知症は適切な治療で改善できると思ってはいないのです。抗認知症薬、向精神薬、サプリメントで改善できるなどという知見もないのです。だから、
 ・医療は医療で、「介護で何とかしましょう」と押しつける、
 ・介護は介護で、「自分達で何とかしましょう」と頑なになる、
実に不合理なことです。


昨年は3人の研究者がノーベル物理学賞を受賞しました。赤崎先生、天野先生は、誰もが見向きもしなかった窒化ガリウムという半導体のひとつにこだわって青色発光ダイオードを開発しました。中村先生は、それを量産化する技術を開発しました。

コウノメソッドでは、古くからある安い薬も使います。
それが窒化ガリウムで青い光を発光させたこととダブってみえるのです。

オレンジプランでは、
2017年度末を当面の目標設定年度とする。
1)認知症への理解を深めるための普及・啓発の推進、
2)認知症の容態に応じた適時・適切な医療・介護などの提供、
3)若年性認知症施策の強化、
4)認知症の人の介護者への支援、
5)認知症の人を含む高齢者にやさしい地域づくりの推進、
6)認知症の予防法、診断法、治療法、リハビリテーションモデル、
   介護モデルなどの研究開発およびその成果の普及の推進、
7)認知症の人やその家族の視点の重視。
 と、策定されています。

医療と介護が二極化されている中、医療と介護の双方に通ずる視点で見ると、オレンジプランの具体策は既にあります。これまで、注目されなかったコウノメソッドを取り入れればよいのです。青色LEDと同様に青く光ります。 それも、高輝度(高い改善率)で省エネ(低医療費)です。



 最近、私は認知症関連のテレビ番組を観ないようにしています。国の認知症への施策にも失望しています。「認知症=介護」という論調の内容に溢れているからです。
2025年問題に対応するために認知症根治薬の研究開発を進めると言った、現在のことをないがしろにした話しが多いからです。

外来に来られる認知症患者・家族は、いくらかは認知症医療に対する期待があるのかもしれませんが、「家族が治療を望まないから」という理由で積極的な治療を望んでいない事実もあります。それでも、問題のすべてが薬物で解決される訳ではないと思います。

究極的には、認知症治療の限界を補完するのが介護であると思います。
認知症というと、とかく介護に力点が置かれ、非効率的なことばかりが求められているように思います。薬による治療で陽性症状・陰性症状を可能な限り抑えた上での非薬物療法が用いられることが現実的であると思います。


徘徊するアルツハイマー型認知症だけが問題ではないのです。世間の衆目はアルツハイマー型認知症の予防と治療薬の登場にありますが、それも事実のひとつではあります。

けれど、ピック病、レビー小体型認知症とピック病が複合したLPCにこそ認知症医療と介護の大変さ、悲惨さが凝縮されているのだと思っています。

有料老人ホームでは、入居者個々のかかりつけ医。特養では、入所前の主治医の診断と処方がそのまま継承されます。これが災いして、不適切な診断と処方のままで施設での生活が継続されます。

入所時、あるいは入所後1ヶ月程度の期間に、認知症の診断と処方についてレビューする必要があります。できていないから、不要な介護負担を無条件・無批判に請け負ってしまっています。これは改めるべきです。 

毎日職場で、高齢者・超高齢者の生き様を見ていますが、それは死に様でもあります。年老いて呆けても構わないと思いますが、死に様に認知症は不要なのです。
私は医者ではありませんから、認知症の診断も処方箋を書くことはできませ。けれど、認知症を鑑別することはできます。医師の指示の元、服用する薬の効果や副作用を見ることはできます。服用量を調節することもできるでしょう。

コウノメソッドで認知症を学べば、画像診断装置が無くても、85%の認知症を正しく診断できると河野先生は仰います。ということは、医師ではない介護職でもその気になれば、認知症を鑑別することができるのです。

究極的には、「認知症は治せる」ということが、奇跡ではなく常識となることです。今日の認知症医療を批判的に言う時代はもう終わりにして、成熟したひとつの治療体系として日常のごくありふれた「家庭の医学」となることです。



会場にて河野先生と記念撮影
来年3月には、第2回認知症治療研究会がパシフィコ横浜で開催されることが決まりました。認知症診療に携わる先生のお手伝いをしっかりとできるよう、コメディカルの皆様もたくさんのことを学びましょう。
医療と介護の連携、それは情報共有。
来年3月横浜でお会いしましょう。

追伸
当日、会場にて名刺交換させていただきました皆様方にお礼申し上げます。